自分が歩んできた人生に誇りがもてるように “ありのままの私”をヘアメイクで彩る

「今日の私、すごく綺麗…」

鏡に映った自分を見て思わず口にしたお客さまの言葉。

ヘアメイクによって、なんでもない日常が特別な日に変わる瞬間を何度も見てきたヘアメイクアーティストがいます。

クッポグラフィーのヘアメイクアーティスト、末廣桃華。

結婚式やお子さまの記念日など、様々なシーンでヘアメイクを担当してきましたが、こだわりは、写真になったときにどんな表情を見せられるのか。

2024年に携わった「ふたりのポートレート」のリニューアルの現場でも、そのこだわりをプロジェクトメンバーに伝え続けました。

今回は、「ふたりのポートレート」リニューアルの舞台裏で、ヘアメイクアーティストとしてどのように携わったのか。そして、クッポグラフィーで経験した、“お客さまの人生に触れる瞬間”についてお話を伺いました。

末廣 桃華(すえひろ ももか)

駒沢公園スタジオ ヘアメイクチームリーダー。結婚式場のヘアメイクアーティストとして勤務した後、希望していた撮影スタジオ(ウェディングの前撮り専門会社)に転職。2023年、経験の幅を広げたいと「家族写真」の撮影も行うクッポグラフィーへ入社。七五三や振袖の着付けなども習得し、オールマイティなヘアメイクアーティストを目指す。ヘアメイクチーム リーダーとして、後輩育成も行う。

幼い頃から好きだった草花を ヘアメイクに取り入れられる喜び

ーー今回、ふたりのポートレートのリニューアルに携わって、いかがでしたか?

末廣:私はヘアメイクアーティストの立場で現場の意見を伝えていきました。クッポグラフィーのヘアメイクアーティストは、お客さまをお迎えしてから、お支度中、撮影からその後のお見送りまで、すべての時間をともにしますので、一番お客さまの反応を見ている立場でもあります。

プロジェクトは、マーケティングやフォトグラファーが中心となって進めていきましたが、私たち現場の声もたくさん反映してくれました。

ふたりのポートレートリニューアルの舞台裏 詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ーーリニューアル内容で、ヘアメイクアーティストの立場から見て魅力的な部分はどんなところにありますか?

末廣:個人的な意見になってしまいますが、花束もこちらでプロデュースするプランになったことは、ヘアメイクをする上でとてもよかったと思います。

ーー花束とヘアメイク。意外な接点ですね。

末廣:クッポグラフィーには専属のフローリストがいて、お客さまの印象や雰囲気に合わせて一つ一つお花を選んで花束をつくっていて。花は、写真の中の人をより魅力的に引き立てる大きな存在となっています。

フローリストの前田研史さん。ドイツ国家認定フロリストマイスターの称号を持つフローリスト。「季節の花束」やお子さま用のキッズ花束など、クッポグラフィーの花全般をプロデュースしている。

フローリストが選んだ、四季折々の花を花束にして撮影で利用。写真に映る花に魅了されて予約をしてくださるお客さまも。

 

末廣:撮影当日、お客さまのイメージに合わせてつくられた花束を見たときに、メイクや髪型へのインスピレーションがわいてくることが度々あります。花束に込めた思いとストーリーをお客さまにお伝えしながら、「お花の色がこの色なので、アイメイクも同じ色にしてみますか?」などと提案してみると、喜んでいただけることが多いです。

ーーなるほど。そういった提案の仕方もあるのですね。

末廣:私自身、花や草木が好きなので、職場でフローリストと一緒に働けること自体も嬉しくて。以前、結婚式場でヘアメイクの仕事をしていたのですが、式場のお花やブーケは当日花屋さんが持ち込むので、花にまつわる話を聞くことができませんでした。

クッポグラフィー駒沢公園スタジオでは、季節ごとの花をスタジオ内で販売もしているのですが、フローリストの作業中にお邪魔して、一つ一つの花の特徴や魅力を聞いています。その時間はとても幸せですし、フローリストの思いを知って、お客さまとのコミュニケーションにも取り入れています。

お子さまにも喜んでいただけるキッズ花束。

ーーお花が好きなんですね。

末廣:遡れば、幼少期から好きでした。母は花が好きだったので、自宅にはよく季節の花が飾ってありました。色や質感をじっと観察して、時間を忘れることもありました。ピアノの発表会で頑張ったご褒美にもらう花束は、とびきり嬉しかったのを覚えています。

季節ごとの草花の美しさや華やかな色彩に魅了された幼少期が、もしかしたら、私がこの世界に入った原点なのかもしれませんね。

ーー今の道を選んだきっかけは何かあったのでしょうか?

末廣:美容業界に興味を持ったきっかけは、テレビ番組でした。プロが一般の方にメイクを施したり髪型を変えることによって、美しく変身するといった内容で。家事や子育てで時間がないお母さんが、ヘアメイクで変身して嬉しそうに喜ぶ姿が印象的でした。こんな素敵な仕事があるんだと興味を持ったことが始まりです。

ーープロにヘアメイクをしてもらうだけで別人のように変わりますよね。

末廣:そうですよね。ヘアメイクできれいになると、人って表情まで明るくなるんだって、子どもながらに感動しました。

ウェディングのヘアメイクという職業は、母が新聞か何かで見つけてきてくれて知りました。花や着物、キラキラしたものが好きだった私に、桃華が好きなものが全部詰まっている仕事があるよって。

これだ!と思って、美容専門学校のオープンキャンパスに向かったのは、高校生の頃でした。

思い描いた仕事と異なっても続けた 結婚式場でのヘアメイク

ーーヘアメイクアーティストとして最初に就いたのは、結婚式場でのお仕事でしたね。

末廣:もともとは写真の会社でヘアメイクの仕事をしたかったのですが、残念ながら就活がうまくいかず、結婚式場でヘアメイクをする会社に入りました。

最初は先輩について見習いからのスタートでした。お支度が終わって、新婦さまを送り出す先輩の後ろ姿を見ながら「やっぱり私がやりたかったこととは違った」と思ってしまって。

ーーどのような部分が違ったのですか?

末廣:結婚式場のヘアメイクアーティストは、新郎新婦さまを陰で支える、いわば黒子のような存在だと感じてしまって。私は、お客さまと密にコミュニケーションを取りながら一緒につくり上げる仕事がしたかったのですが、お客さまとの間に高い壁を感じました。結婚式場の仕事のことはわかっていたつもりでしたが、実際に現場に立ってみて、自分が思い描いていた仕事とは大きく異なると確信してしまったんですよね。

でも、新婦さまのヘアメイクを一人でできるようになることは、今後の仕事においても役立つと思ったので、一人でできるようになることを目標に置いて、下積み時代を送りました。

ウェディング前撮り専門のスタジオで 全国指名数ナンバー1に

ーーその後、希望していた写真業界で働くことができたのですね。

末廣:はい。ウェディングの前撮り専門のフォトスタジオでした。働き始めてからは、「これがやりたかったんだ」と日々思うほど、仕事にのめり込んでいきました。

衣装選びからヘアメイク、撮影までの1日をお客さまと一緒に過ごす中で、お客さまとの距離を近く感じることができて。時にはロケの撮影にも行くことがあって、お客さまと過ごす時間が楽しかったです。

ーーその会社では、全国の店舗のヘアメイクアーティストの中で、指名数1位になったこともあると伺いました。

末廣:そうなんです(笑) その会社には指名制度があって。指名数にはそこまでのこだわりはありませんでしたが、お客さまから自分を選んでいただけるのは嬉しかったですね。自分のスキルを上げるために、ヘアメイクのセミナーに参加をしたり、尊敬するヘアメイクアーティストの動画を購入して勉強をしたり。インスタなどを活用した自分の売り出し方なども研究していくうちに、気がついたら1位をいただいていました。

ーーすごい…。その裏には努力があったんですね。

末廣:好きなことだから努力ができるんだなと、学びながら思いました。そして、お客さまに喜んでいただける度に、また新しいことに挑戦できる自分もいました。

30代になる自分が次のステージに上るために クッポグラフィーへ

ーー2023年、クッポグラフィーに入社しました。どうして転職されたのでしょうか?

末廣:前職で一緒に働いていたフォトグラファーの方が、「クッポグラフィーっていうすごい撮影会社があって、自分はいつかそこで働きたい」と言っていたことがクッポグラフィーを知ったきっかけでした。私は、そのフォトグラファーが撮る写真が好きだったので、クッポグラフィーにも興味がわいて。尊敬するフォトグラファーが憧れる会社だったら、きっとすごい人たちがいるに違いないと思ってウェブサイトを見てみたら、ヘアメイクアーティストを募集するお知らせが載っていたのです。

ーーなるほど。

末廣:ちょうど前職で働き始めてから6年が経とうとしていました。年齢的にも、間もなく30歳になる頃だったので、もう一段階ステップアップをしたい気持ちもあったんです。全国各地のスタジオで経験を積ませていただいて、一通り技術的なことは習得できた、やり切ったと思えるステージにいました。この職場で先に進むのであれば、リーダー職や、研修の指導をする立場を目指すことになると考えたとき、まだまだ現場でお客さまと接していたいと思う自分の気持ちに気づいたのです。

そしてふと思ったのが、子どものヘアメイクはまだやったことがなかったなと。大人の和装の着付けや和装に合わせたヘアメイクはできましたが、七五三や振袖の着付けは経験がありませんでした。

ーークッポグラフィーではその経験が積めるということですね。

末廣:そうなんです。どんな年齢層の方でもオールマイティにメイクもヘアもできる人になることが目標だったので。ウェディングだけではなく、老若男女、様々なお客さまが利用するフォトスタジオという環境にも興味がありましたし、何より、自分がまだできない新しい技術を習得したいと思って、クッポグラフィーに応募しました。

ーー入社して2年が経ちますが、新しい技術を得ることはできましたか。

末廣:おかげさまで、今はどんなシーンのヘアメイクもできる自信があります。お子さまの日本髪も、モデルさんにお願いして何度も練習した結果できるようになって。振袖の着付けの試験にも合格しました。

子ども扱いをせずに向き合うことを大切にしている末廣。七五三撮影で訪れる7歳には大人と同じようなヘアメイクを施すことで、とても喜んでもらえるそう。「お子さまに、ヘアメイクアーティストという職業があることも知ってもらえたら嬉しい」と話す。

 

ーーできなかったことがすべてできるようになって、怖いものなしですね。

末廣:クッポグラフィーでは、デビュー前でしたら勤務時間に練習をすることができるんです。そこもありがたかったですね。

ーー働きながら技術を習得できる環境。それは良いですね。

末廣:美容業界の多くは、勤務の前後に自主練をすることが多いのですが、勤務時間内で練習ができるのは恵まれていると思います。新卒の後輩たちにも、ありがたい環境なんだよと伝えています。

今日の自分 これまで歩んできた人生に ヘアメイクで誇りをもてるように

ーーヘアメイクアーティストになってよかったと思えるような瞬間はどんなときでしょうか?

末廣:やっぱりヘアメイクをしたときに、お客さまの表情がぱあっと明るくなったときですね。

先日、結婚されたカップルが「ふたりのポートレート」を撮影した時のことでした。新郎さまのソロカットを撮影しているときに、そばで新婦さまが自分の姿を見たときに、「今日の私、すごく綺麗で自分じゃないみたい…」と嬉しそうにつぶやかれて。

その言葉を耳にして、こちらまで嬉しくなりました。素直に自分で自分のことを褒めたのはきっと本音だなって。

花束の色に寄せて、グリーンのアイメイクやアイラインを施した。普段は使わない色彩を使うことで、お客さま自身が自分に似合う色を発見できる機会にもつながっている。

 

ーーそれは嬉しい瞬間ですね。

末廣:本当に。ちょっとしたことで自信や誇りを持てるときってありますよね。ヘアメイクにはそんな力があると思っていて。私が幼少期に見た、テレビの中のヘアメイクで変身したお母さんもそうでした。日々の忙しさで疲れが残る表情にメイクを施すだけで、見た目だけではなく前向きな言葉まで出てくることもあります。

ヘアメイクアーティストになってよかったなと思えたことは他にもあります。

1歳の記念で撮影に来てくださったときに、お母さまが自分のポイントメイクも頼んでくださって担当したのですが、2歳の撮影でもメイクを予約してくださって。

ーーお子さまが主役ではありますが、自分もプロにメイクをしてもらえるのは良いですね。

末廣:その方も、写真に残るから自分も綺麗にしたいとおっしゃっていました。ファッションが好きなお客さまだろうなと感じていましたが、お子さまが生まれてからはメイクをする余裕がほとんどないそうで。

ーーお母さまやそのご家族とは1年ぶりの再会ですか。

末廣:そうです。またお会いできたことも嬉しかったです。1歳だった頃はこうだったけれど、2歳になってからはこんな成長があったなど、お子さまのこともたくさんお話してくださって。お客さまとまたお会いできることで、「以前とは変わった」「最近はこうなった」といった変化も聞けて、自分のことのように嬉しくなったりも。

他愛のない話をしながらメイクをしていくうちに、表情も華やかになっていくように見えました。

友人でもなく、親戚でもない、なんだか不思議な存在としてお客さまの人生に触れることができて。おじいさまやおばあさまも一緒に、家族みんなでディズニーランドに行ったことが楽しかったという話を聞きながら、私も温かい気持ちになりました。

「夫婦ふたりだけの生活の最後に、ヘアメイクで綺麗にしてもらって良い思い出ができました」と言ってくださったマタニティフォトのお客さま。つわりで出かける機会が少なかった妊婦さんからの感謝の言葉が励みになったと話す末廣。

 

お客さまの“ありのまま”を知って 「ふたりのポートレート」にストーリーを写す

ーー2024年、ふたりのストーリーを写真に写す「ふたりのポートレート」が新しいプラン内容となってリニューアルしました。

末廣:以前の内容では、自由な服装で撮影ができて、ヘアメイクや花束もお客さまからの予約が入ればご用意するという内容でした。ご自身でヘアメイクをされる方もいらっしゃったのですが、スタジオ空間や光の加減、花束とヘアメイクのコラボレーションなどを踏まえて、クッポグラフィーの写真に活かせるヘアメイクは私が一番知っているという自信があったので。ヤキモキしたことも正直なところありました。

ーーそうだったのですね。

末廣:新しいプランでは、お客さまのありのままの魅力を引き出すために、クッポグラフィーのプロフェッショナルのすべてを盛り込んだ内容となっているので。出来上がった写真を見て想像していたもの以上に良いと言ってくださる方もいました。リニューアルの中心となって動いたメンバーに、色々と現場からの意見も取り入れてもらいました。

左から、マーケティングの山崎、フォトグラファーの小林、そして末廣。同世代のメンバーが中心となってリニューアルを進めた。

末廣:私はお客さまのことを深く知った上でヘアメイクや撮影に活かしたいと思ってやっていますが、その部分も大きく変わりました。

ーー例えばどのような部分ですか?

末廣:まず、予約が確定した時点で、事前アンケートに回答をいただくのですが、おふたりのことだけではなく、個々それぞれへの質問もあって。相手の方も知らなかった回答もあったりして、面白いですよ。おふたりのスナップ写真も事前に送っていただくので、そこでまず、好きな色であったり、好きな雰囲気はこんな感じなのかなと想像を膨らますことができるようになりました。

撮影日前には衣装の試着に来てくださるので、ヘアメイクアーティストは事前に一度お客さまに会う機会もできました。これがすごく良くて。

おふたりが話している様子など、表情や雰囲気を感じ取ることができます。

ーー直接お会いすることでわかる部分もありますよね。

末廣:おうちではこんな関係性なのかなと、思いを巡らせたりも。

おふたりの関係がわかることでよかったこともありました。新婦さまが身に着けるもので迷われていた時に、新郎さまの意見を聞いて一緒に決めることができたりも。おふたりがどのように日々の営みを大切にされているのかを感じ取ることで、より良い方向に進むこともあるんですよね。

ーー感じ取るのは難しそうですね。

末廣:コミュニケーションと観察眼が重要になってくるかもしれませんね(笑) 

私は3人兄妹の末っ子だったのですが、幼い頃から大人や兄たちの話をじっと静かに聞いて、今こう言っているけれど本当はこう思っているんじゃないかなって想像することが好きでした。あの頃が今役立っているのかも。メイクを気に入ってくれているかを確認したときに、口では「大丈夫です」と言っていても表情が曇っていることにもすぐに気づいてしまいます。

出会いのエピソードを撮影のワンシーンに取り入れた、リニューアル後の1枚。撮影後、「当時を思い出してグッときてしまいました」とうっすら涙を浮かべた新郎さまを見て、届けたい写真を届けられている嬉しさで胸がいっぱいになったと末廣は話す。

末廣:お客さまには思っていることを言ってほしいですし、自分の希望を遠慮せずに伝えてほしい。少しモヤモヤが残った状態で撮影に入っても、きっと楽しめないと思います。なので、要望を言いやすい空気をつくることも大切にしています。

今回の事前アンケートや試着の時間ができたことは、お客さまのことをより深く知って、距離を縮めることにつながるので助かります。結果、ヘアメイクを気に入ってくださって、今日の1日がふたりの人生の思い出に加わってくれれば。これ以上のやりがいはないですね。

経験を次の世代の育成につなげ クッポグラフィーの写真を届けていきたい

ーー現在、末廣さんは駒沢公園スタジオのヘアメイク部門のリーダーを任されているそうですね。

末廣:ウェディングからファミリーフォト、広告撮影まで全ての撮影でヘアメイク経験があるので、現場のまとめ役を担っています。チームスタッフの仕事の割り振りであったり、後輩のサポートや教育も。

ーー多岐に渡りますね…。

末廣:大変ではありますが、色々なシーンでヘアメイクをすることができたり、自分の技術を後輩に伝えられる環境が幸せで。

クッポグラフィーの広告撮影のヘアメイクも末廣が担当をしている。いつかは末廣のように広告撮影にも携わりたいと話す、新卒スタッフもいるそう。

末廣:ヘアメイクアーティストは技術だけではなく、お客さまとのコミュニケーションも撮影に欠かせないものなので、新卒のスタッフには、細かい表情の変化に気づく重要性なども教えています。

ーー表情の変化ですか。

末廣:社会人になってすぐの頃は、技術ばかりにとらわれて、お客さまの表情にまで意識を向ける余裕がないと思うんですよね。私もそうでした。例えば、七五三の撮影で、お母さまは喜んでいても、お子さまを見てみるとあまり嬉しそうではなかったりも。もしかしたら気に入ってないかもと気づけるか気づけないかで、その子にとっての1日が180度変わると思っていて。

最初から気づくことはできません。だからこそ、今自分がサポートする意味があると思ってそばで一緒に見ています。

ーー今後の目標はありますか?

末廣:目の前の目標は、新卒のスタッフが、ふたりのポートレートやウェディングフォトのヘアメイクデビューができるように育て上げることです。

ーー自分ではなく、後輩の成長が目標なんですね。

末廣:そんな思いを持てたことに、自分でもびっくりしています。ヘアメイクの世界は、離職や転職が激しい業界で、前職のときには、教えていた後輩が道半ばで辞めてしまった苦い経験もあって。私に後輩育成なんてできないと思っていましたが、今一緒にいる新卒のスタッフがすごく慕ってくれていて。私のように広告撮影のヘアメイクもできるようになりたいと言ってくれるんですよね。そんな思いをもって働いているスタッフたちが独り立ちできるようにしたい。自分以外のことを目標にしたのは初めてです。

そして、練習に励むひたむきな後輩たちの姿を、10年前の自分に重ね合わせながら。諦めずに頑張ってきてよかったなと思うときもあります。

お客さまが大切にしてくれる1枚を届けられるよう、これからもヘアメイクの技術を磨いていきたいです。


取材・文:石垣藍子

撮影:クッポグラフィー

関連リンク:

ふたりのポートレート プランページ
https://www.kuppography.com/futari-portrait

クッポグラフィー ヘアメイクアーティスト募集ページ
https://www.kuppography.co.jp/recst

クッポグラフィー フォトグラファー募集ページ
https://www.kuppography.co.jp/recpg

Previous
Previous

ふたりが重ねたストーリーを写真で届けていきたい 「ふたりのポートレート」リニューアルの舞台裏

Next
Next

あのウェディングフォトとの出会いが人生を変えた 感情をも写し出す写真を届けていく