クッポグラフィー沖縄スタジオについて
2014年の横浜港北スタジオのオープンから約3年後、クッポグラフィーでは2店舗目となる沖縄スタジオができました。
オープン時は、ハウススタジオというもの自体がまだ多くなかった沖縄。そんな中で受け入れてもらえるのだろうかという不安な気持ちと、たくさんの家族に出会える高揚感。どちらも持って沖縄の地にやってきました。
私たちの想いはもちろん、職人さんのこだわりも一緒に詰まった場所です。
3年経ってみて改めて思うことは、沖縄に来ることができ、そして沖縄スタジオをオープンして本当によかったということ。気がつけばとても大好きな場所になっていました。
そんな沖縄スタジオでこの春までの店長をしていた私が、余すことなくご紹介します。
完全自然光のおうち型スタジオ
クッポグラフィー沖縄スタジオは、小高い丘の上の住宅街にあります。
沖縄に戦後からある外人住宅をリノベーションし、一棟まるまる写真スタジオにつくりかえました。
横浜港北スタジオも同様ですが、スタジオにはライティングのためのストロボや、背景のためのスクリーンは置いていません。
部屋中が撮影スポット。どこで、どんなハプニングが起こっても撮影できて絵になるスタジオ。
そして、完全自然光だからこそ、その季節、その日の天気や時間帯でしか撮れない写真が生まれます。
お天気の日は、明るく差し込む光で。雨の日は、しっとり優しい光で。
どんな日にも必ずある、その日の光の良さ。それぞれの家族に寄り添いながら、その日その時間の光を読み、いちばんきれいな光の中で撮影を行なっています。
また、お庭からは海を見下ろすこともでき、そこにいるだけで自然とリラックスできる、そんな空間です。
エントランスにはサボテンなど南国を感じさせるグリーンたち。
その間を抜けてスタジオ入り口のドアを開くときれいなタイルが並んでいて、フワッと飛び込む木の香り。
子どもたちが裸足で走り回っても気持ちのいい床。
まるで、おうちで過ごしているかのようにリラックスできる空間であり、だからこそ生まれる表情もあると思っています。
貸切空間で親も子どももリラックス
沖縄スタジオでは、撮影時間が他のご家族と重なることはありません。ひと家族ごとに貸切で撮影を行なっています。
そのため他の家族の視線が気になって緊張してしまったり、大きな声を出して迷惑をかけてしまうんじゃないか?といった心配をする必要はありません。
時間も1組に2時間ずつの枠があるので、人見知りや場所見知りで少し時間がかかる子や、撮影を家族でゆっくり楽しみたい方にはぴったり。
ジャンプしたり、走ったり、かくれんぼをしたり、家族でゲームをしたり。一緒に楽しんでいるうちに、いつもの笑顔が出てきます。そんな姿を私たちは逃さずとらえたい。そして貸切だから、飾らない家族の姿で思いきり楽しんでほしいんです。
またどんなハンデがある子もその子のペースに合わせて撮影します。もし、何か心配なことがありましたら、事前にいくらでもご相談くださいね。LINEでもメールでも、あるいはお電話でも、家族みんながずっと大切にしたいと思えるような写真を残せるよう、精一杯ご協力いたします。
「七五三の撮影は、諦めていました。」「ダメ元で来ました。」
と、仰る方にも出会いました。でも、そんな心配をよそに撮影を楽しむ子どもたち。その姿を見ながら家族のみんなが「来てよかった」と言ってくれるのが私たちのやりがいです。
(この春まで沖縄スタジオの店長をしていた私。立ち上げ時の想いや移住、スタッフについてはこちらから。)
七五三の衣装は、おしゃれで個性的な完全オリジナル
七五三は、オリジナルデザインの着物をクッポグラフィースタッフが製作しています。
そもそもは、スタジオに来てくれる子どもたちに「私たちが本当に自信を持っておすすめできる着物を着てほしい」という想いを持ったことからでした。
特に男の子は、ギラギラとした鷹やカブトが多いもの。自分たちのスタジオにもマッチしながら、子どもたちに着てほしいと思える着物は一体どこにあるんだろう。どうしたら素敵な着物に出会えるのだろう。どうやって探せばいいのだろう。
そういう想いを持ちながら、なかなか「コレだ!」という着物を見つけることができない日々が続きました。しかし悩んで悩んで悩みぬいてふと思ったのです。自分たちで作ることはできないのかな?と。
そこからいろんな方々に協力をしてもらい、オリジナル着物をつくるための試行錯誤がはじまりました。
毎年たくさんの打ち合わせを重ね、買い付けへ。想いを実現するために、毎回、脳味噌が溶けそうなほど頭を悩ませています。(笑)
生地を選び、組み合わせを考え、この着物に合う小物は?髪飾りは?靴は?と、トータルコーディネート。
沖縄のスタジオはアンティーク調だから、すこしレトロにしてみよう。家具も床も茶色く、壁もグレーなので着物は明るい色が合う?横浜のスタジオはもう少しポップな方がいいかな?
撮影中、すぐ脱げてしまう草履じゃなくスニーカーやブーツと合わせてみるのもかわいいんじゃない?重たい着物より、軽い着物がいい!
そんな風に「七五三」に囚われすぎずに着物づくりができたのは、それぞれのスタジオの良さが分かっているからこそ。
ただおしゃれなだけではなく、それぞれのスタジオのカラーや撮影のことを考えぬかれた正に「クッポグラフィーが作る、クッポグラフィーのための着物」になったといえます。
結果、やってみて本当によかった!今ではクッポグラフィーになくてはならない、おしゃれな着物たち。
仕上がった着物を見て、そして更にみんなが着こなしてくれる姿を見て、着物づくりを始めてよかったなあと思うのです。
スタジオ設計やお庭もスペシャルな方々と
スタジオの設計をお願いしたのは、横浜港北スタジオ、横浜ウェディングオフィスもお願いしたHandiHouse projectの坂田 裕貴さん。
全く何もない場所から、いろんなものを立体で想像できるということ、リスペクトでしかありません。
アンティーク調だけど、洗練されていて、あたたかい光の差し込むスタジオ。この空間にいるだけで、なんだかほっとする。そんな場所にしてくださいました。
お庭はYardWorksの天野慶さんに。
特に植物は、植えて終わり、ではなくその後もどんどん伸びて形が変わっていきます。そこを見越して木々をデザインしていく。
私は植物に全然詳しくないのですが、それでも天野さんのつくるものには本当にワクワクします。
お庭も撮影場所として欠かせないもの。そして完成してからも変化を見せてくれるその雰囲気に愛情が増すばかりです。
さらに設計施工が終わって、はい終わり!ではなく、その後も小さいことも相談にのってくださってくださるお二人には感謝しかありません。
3年という短い間ですが、少しずつ沖縄のみなさまに知っていただけるようになり、ありがたいことにリピーターとして二度、三度と撮影に来てくださるお客様も増えました。
みなさんと一緒に歳を重ね、成長を喜べることが写真スタジオとして何よりの幸せで、やりがいだと感じます。
マテニティや100日、1歳や七五三などから成人式、結婚式までお付き合いできる関係性となれたらどれだけ幸せなことでしょう。
大切な節目の撮影を任せてくださっているみなさん、本当にありがとうございます。
人生にそっと寄り添い、ご家族ひとりひとりを彩っていけることこそが、私たちの喜びであると確信しています。