【 Interview 】「クッポグラフィーは自分自身を知れる場所」スタジオフォトグラファーへの転職を経て、なりたかった私に

クッポグラフィー沖縄スタジオ店長の松尾。

広島でウェディングフォトグラファーとして活躍していた彼女が、クッポグラフィーで働く道を選び、沖縄での暮らしを始めてから一年が経ちました。

「あの時、思い切って行動して本当によかった、と今でも毎日思います」。

控えめで穏やかな彼女の内に潜む、熱くて真っ直ぐな気持ちを聞いてみました。


この仕事に就けてよかった、と思える毎日

クッポグラフィースタッフのインタビュー

ー現在、家族やお子さんを中心に撮影するスタジオフォトグラファーとして、どんなところにやりがいを感じていますか?

スタジオフォトグラファーのやりがいは、お客さまの反応がダイレクトにくるところですね。自分が撮った写真を見て、自分の目の前で喜んでくれたり泣いてくれたりします。

何より、みなさん笑顔で来て、笑顔で帰られるんですよ。本当に素敵なお仕事をさせてもらっているなって思います。

ー目の前でお客さまの反応がもらえるお仕事って、なかなかないですよね。

スタジオでの撮影が終わると、いつも写真をBGM付きのスライドショーにして上映会をするのですが、お客さまからどんな反応があるのか、毎回ドキドキしています。

撮影中、子どもたちが暴れすぎて不安がっていたママやパパが、スライドショーを観て「うわぁ、よかった〜!」と言って、表情が変わる瞬間があるんです。その場で涙を流してくださる方もいて。

そんな反応をいただくたびに、あの時、思い切って行動して本当によかった、と今でも毎日思います。


「違う私をみてみたい」と思ったことが転職のきっかけ

ーもともとは、広島にあるスタジオで主にウェディングの撮影をしていたんですよね。

はい。3年間、ウェディングフォトグラファーとして働いていました。クッポグラフィーのスタッフに、「茜の性格を知れば知るほど、よく沖縄に来たなと思う」と言われることが多々あります(笑)。

ー普段はおっとりした性格だと他のスタッフの方からも伺っていますが、転職という思い切った決断をされたきっかけや経緯を教えていただけますか?

働き初めて3年が過ぎた頃、もっと違う自分を見てみたい、と思うようになったんです。ウェディングフォトグラファーの仕事は楽しい。でも、今の場所で今の仕事を続けた先にある未来の自分を想像したとき、「何かが違う。このままでいいんだろうか」と違和感を抱くようになっていました。

そんなある日、Instagramを眺めていたら、以前からフォローしていた代表の久保の「スタッフ募集」という投稿が目にとまったんです。今しかない!と、気がつけばその時抱えていた想いを夢中でスマホに打ち込んでいました。

それでも、そのメッセージを送るかどうか、スマホを握り締めたまま1時間くらい悩みましたが、一生分の勇気を出して「えいっ」と送信しました。

あの日、勇気を出してメッセージを送ったことから全ては始まりました。はじめて1人で飛行機に乗って沖縄に面接にいき、移住を決め、今日に至ります。


スタジオフォトグラファーになって知ったのは、写真を撮る相手と向き合うことの大切さ

ークッポグラフィーに入る前と入った後で、想像と違ったことはありましたか?

クッポグラフィーに入社する前は、動き回る子どもたちをかわいく撮れるかな。コミュニケーションをうまくとりながら撮影できるかな。という技術的な心配ばかりしていました。

でも実際に入ってみると、大切なのはどれだけその子やご家族と向き合えるかという気持ちだということに気がつきました。

ーうまくいかなくて落ち込んだこともありましたか?

そうですね。子どもは好きだと思っていたけど、何も分かっていなかったなと感じました。必要以上に子ども扱いしてしまったり、逆にかくれんぼのルールも分からない子に、かくれんぼしようと提案したり・・・。

みんなそれぞれ性格が違うんだから、子どもや大人という括りではなく、その子一人ひとりと向き合うことの方が大切だということを、スタジオに来てくれるみんなに教えてもらいました。

(撮影中、小さなお客さまが撮ってくれた写真)

(撮影中、小さなお客さまが撮ってくれた写真)

そうして私なりに撮影に向かう姿勢を掴んでからは、撮影がますます楽しくなりました。

家族の形や、これまでの軌跡など、構図や光だけじゃなく、人にフォーカスするようになったと思います。

お子さんの撮影なら、いかにその子ととことん向き合うか。どれだけ泣き喚いても着物がいやでも、こっちが折れずににどれだけ向き合えるか。その中でいかにその家族らしさを引き出せるか、を大切にしています。

クッポグラフィーのスタッフインタビュー

いくら構図が綺麗でも、いくら光が綺麗でも、ぎこちない顔をしていたらいい写真じゃない。逆にみんながめちゃくちゃいい表情をしていたら、少しくらいブレててかまわないと思うんです。

どんなご家族なのか、どんなお子さんなのか、しっかり目を向けることを大切にする。それが、その子やご家族らしさの表現に繋がってくるんです。


お客さまが教えてくれた、家族写真の意味

ーたくさんのご家族やお子さんを撮影する中で、ターニングポイントとなった撮影はありますか?

とある4人兄弟が、小・中・高の卒業と成人の記念で家族写真を撮りに来てくれたことがありました。制服と、部活のユニフォーム、ピカピカの成人のスーツを着ての撮影。

一番上のお兄ちゃんは沖縄を離れる直前でした。みんなの新しい旅立ちという家族の節目の時に、家族写真を残そうとしてくれたことがとても嬉しかったです。そんなご家族を撮影している自分を誇りに思えました。それと同時に、家族写真の意味を教えてもらったんですよね。

ー家族写真の意味。

一般的にスタジオで撮る家族写真は、七五三や誕生日など、小さいお子さんのお祝いや記念の時に撮影するイメージがあるかもしれません。でも、その4人兄弟の撮影を通して分かったのは、いつ撮ったって家族写真は家族写真。どのタイミングでも、その家族にとっては大切なものなんだと気づかされました。


クッポグラフィーは自分自身を知れる場所

クッポグラフィーのスタッフインタビュー

ーそもそも、写真に興味を持ったのは大学生の時だったとか。


大学時代は陸上部だったのですが、友人たちの練習や試合の様子を小さなデジカメで撮って、その友人たちに見せていました。「ありがとう!」「すごい!」と喜ばれるのが楽しくて心地良かったんですよね。それを仕事にできたらいいなって思っていました。


(そう自分のことを振り返りながら、何かに気がつく松尾)


話してて気がついたんですけど・・・今、私は大学生の時になりたかった大人になっているのかも。あの頃の私に教えてあげたいですね。


ーそんな夢を叶えたクッポグラフィーはどんなところですか?


私はどこかで変わりたいと願いながら、ずっと勇気を持てずにいました。


でも、ほんの少し勇気を出して踏み出してみれば、とても充実した毎日が待っていました。経験の少ない私のことを笑う人は誰一人おらず、やってみたいことの応援やサポートをしてくれる。


クッポグラフィーに入って自分自身と向き合うことが増えました。任せてもらえることが多く、考える時間が増えたからだと思います。「私がどうしたいのか」を考えるようになりましたね。クッポグラフィーは私自身がどうしたいかに目を向けてくれるんです。


そうやって、これまで気がつかなかった、自分自身の可能性を見つけながら、進化していける場所だと思います。


何よりクッポグラフィーのスタッフは、目の前の人に一生懸命向き合っている人が多い。みんな、誰かや何かのためにいつも考えているんです。だから私もそうありたいと思っています。


私やスタッフに「会いたい」という理由で、スタジオに来てほしい

ー最後に、これからの目標を教えてください。

もっと沖縄に根付きたい。もっと地域の人やお店の人と関わりを持って「クッポさん」って親しみを持ってもらいたいんです。

例えばスーパーに買い物に行ったときも、ここにいる家族みんながスタジオに来てくれたらどんなに楽しいだろう、とよく考えたりもします。いく先々で出会う家族に「あ、ヤッホー!」と言って手を振りたい。

素敵な写真を残すのはもちろんなんですけど、「私や他のスタッフに会いたいからスタジオに行こう」と思ってもらえるようになりたいんです。

それくらい沖縄にいる人たちの生活にもっともっと溶け込みたい。そして一枚でも多く、宝物になる写真を残すお手伝いがしたいと強く思います」

Akane Matsuo

沖縄スタジオ店長。島根県出身。学生時代はスポーツに明け暮れた171cmの高身長女子。宝物になる写真を誰もが持つことができるよう、日々感じたことを写真や文章で伝えていきます。

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