株式会社クッポグラフィー ウェディングフォト・ファミリーフォトの撮影

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きほのちゃんファミリーと再会。新たに教えてくれた、家族や写真のこと。(前編)

2017年にクッポグラフィーのスタジオに家族写真を撮りに来てくれた、きほのちゃんファミリー。

彼女らとの出会いは、「家族みんなが元気で暮らせる」という当たり前の幸せにしっかり向き合うきっかけとなり、私の中での家族写真に対する価値観さえも大きく変わりました。

その後、きほのちゃんファミリーに再会。今回は続報をお伝えしたいと思います。

家族写真に対する価値観を変えてくれた出会い

私はきほのちゃんファミリーに出会ってから、一組ひとくみをより大切に撮影するようになりました。今目の前にあるこの瞬間はもう二度と訪れないし、また絶対に家族みんなが揃うとも限りません。

だからこそ私たちが、家族写真を撮ることの大切さをたくさんの人に伝えていかなければならないという、自分の使命にも気づかされました。

以前、その時の想いをブログに綴ったところ、その反響はとても大きく、たくさんの方に「ブログ見たよ」と声をかけてもらいました。

(以前書いたきほのちゃんファミリーのブログはこちら)

2018年3月、きほのちゃんが入院している病院の桜の木の下で

改めてきほのちゃんファミリーのご紹介をしたいと思います。

私たちがきほのちゃんファミリーと出会ったのは2017年の9月。スタジオ撮影のご予約をいただいた時でした。きほのちゃんは、4p-症候群という病気と闘っているの女の子。

きほのちゃんのママ、ありささんからご予約前に、「染色体異常をもって生まれてきて座位ができず、身体も小さいですが、七五三撮影できますか?」というご相談をいただきました。

ありささんの「希帆乃の"今"を、3歳(当時)まで一生懸命生きた証を、しっかり残してあげたい。」という言葉が胸に刺さり、「この方々のためならなんでもしたい」と思ったことは忘れません。

そして実際に、きほのちゃんの七五三撮影が実現。その後、きほのちゃんが入院中に、一瞬の外出許可が出たときには病院に駆けつけて、家族写真を撮りにも行きました。

七五三撮影だけで終わらず、その後も深い繋がりを持ち続けています。

きほのちゃんファミリーに会いに

あのブログを書いたあと、きほのちゃんファミリーは、和歌山県にお引越しをしました。

和歌山県は、ママのありささん、そしてパパのトットのご実家があるところ。おふたりのご実家の近くに、一軒家を建てられました。

「距離が離れてしまったけど、会いたい。きほのちゃんファミリーの今を写真に残したい。それならば、私たちが和歌山に行こう!」

と思い立ち、一緒にきほのちゃんの成長を見守っているスタイリストめぐも誘って、きほのちゃんたちの住む和歌山県へ行ってきました。(少し前のお話になります) 

近くの駅まで迎えに来ていただき、久々にきほのちゃんファミリーのみんなと再会・・・相変わらずのあたたかさに、初っ端から涙ぐむ私。

久々に再会したきほのちゃんはもう6歳。お姉ちゃんの、ののちゃんは9歳。出会った頃は、3歳と6歳だったふたり。大きくなったな~。

着いてからは、和歌山観光にきほのちゃんのおばあちゃんが連れて行ってくれました。

ありささんときほのちゃんはお留守番。トットはお仕事。

おばあちゃんと、ののちゃんと、同じく東京から来たありささんのお友達のトンボさんと、めぐと私。朝から夕方まで、和歌山の素敵なところをたくさん案内していただき、とっても充実した時間を過ごすことができました。

熊野那智大社という神社に行ったときに、ののちゃんが絵馬を書きたがっていて、絵馬とペンを手にすると、すらすらとお願いごとを書き始めたんです。

「きほのがげんきになりますように。」

ののちゃんはいつだって妹想い。初めて会った時から変わらない姿が、そこにありました。

今回の旅では、撮影の時には見られなかった、新たなののちゃんの一面を見ることができました。いつもののちゃんと会う時は「きーちゃんのお姉ちゃん」の、ののちゃん。ずっときほのちゃんのことをみていて、自分のことは二の次。

でもこの旅では、お姉ちゃんとしてじゃない、ののちゃん自身の姿を見ることができました。

階段ではグリコをやろう!って言ったり、かき氷の写真を撮ったり。

歩くのが疲れたら、トンボさんにおんぶしてもらったり。ママにギューってしたり。まだまだ甘えたいお年頃の、普通の小学生。一日中一緒に過ごす中で、表情や気持ちがクルクル変わるののちゃんが印象的で、とっても可愛らしかったです。

一生忘れられない、花火大会

わたしたちが遊びに行った日は、街の大きな花火大会の日。

日が暮れてきた頃に、みんなで花火大会が行われる河原まで歩いていきました。屋台もたくさん出ていて、食べたいものを食べたり、トットからお小遣いをもらって、ゲームをしておもちゃをゲットしたり。

普段からありささんと、きほのちゃん。トットと、ののちゃん。

このペアで過ごすことが多くて、ママに会えなくて寂しい時もののちゃんのそばにいてくれるのはトット。トットに似てるって言われるのが嫌なののちゃんだけど、二人で支えあって頑張っているんだなと、二人の後ろ姿をみて感じました。

しんみりしていたら、花火が始まるとのアナウンス。目の前に大きな花火が上がりました。

真っ暗な夜空に、明るくカラフルな花火が大きい音とともに儚く消えていきます。この旅のことや、きほのちゃんファミリーへの想いが花火とともに溢れてきました。

気づけば涙が流れていて、隣に座っているめぐをちらっとみたら、めぐも泣いていて・・・。

「幸せだね。」って二人で話しながら、夏の終わりを感じました。

「きほのがげんきになりますように。」

ののちゃんと同じ願いをもつ大好きな人たちとみんなで一緒にみた花火。今までの人生の中で一番綺麗で、忘れられないものになりました。

この旅できほのちゃんファミリーと再会して、私はこの家族を、自分の一生をかけて見守っていきたいと再確認することができました。 

もしこの仕事を辞めることがあっても、今までと何も変わらず、会いにいくでしょう。

今回は撮影の時とは違って、一緒に過ごす時間も長く、ご家族一人ひとりのことをたくさん知ることができました。ののちゃんことや、ののちゃんとトットの絆の深さなど、今まで見えていなかったところが見えて、家族の素敵さを改めて教えていただきました。

また、私が以前書いたきほのちゃんファミリーのブログを見て、ハンディを持つお子さんがいるご家族がクッポグラフィーに来てくれることが増え、たくさんの方にありささんと私の想いが届いたんだ、と実感する2年だったなあと感じます。

これからも、少しでも多くの方々に今目の前にある瞬間を残してほしい。心からそう思います。家族にとって、もっと写真が近くて、こころを支える存在となるように。

後編では、その後のきほのちゃんファミリーとのやり取りの中で教えてもらった写真の価値や、私なりに気がついた家族写真の意味をお伝えしたいと思います。

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きほのちゃんのママ、ありささんは同じ境遇のママたちに対しての発信をしたり、ドナルド・マクドナルド・ハウス(病気のお子さまやそのご家族が滞在し、看病に集中できるようつくられた施設)のCMに出て想いを語ったりしています。

そのCMには私が撮ったきほのちゃんの七五三の写真を使ってくれていて、周りの人たちからも「あれ、こまちの写真だよね!」と声かけてもらうことがあって。その度に、きほのちゃんファミリーのみんなと出会えたことを誇りに思います。

そして現在、「ドナルド・マクドナルド・ハウスせたがや」はコロナの影響で寄付金が減少し、今後の運営のためにクラウドファンディングを行っています。

ありささん自身も「第二のわが家。この先も守っていきたい」とコメントを寄せ、私もメッセージを掲載していただきました。どうか、ありささんや同じ境遇のご家族の想いが届きますように。